[書評] これからリモートワークを導入するなら必読の一冊!『リモートチームでうまくいく』が2020年3月末まで全文公開中!! #リモートチームでうまくいく
COVID-19 の感染拡大により、リモートワーク(最近のメディアだとテレワークが一般的な呼び方でしょうか?)を推奨または急務で環境整備している企業が増えているかと思います。
そんな中、リモートワークのノウハウが詰まった一冊、『リモートチームでうまくいく(著:倉貫 義人)』が2020年3月末まで全文公開されています!すばらっ!!
まずは、本書の全文公開を決断された SonicGardenさんと、出版元の日本実業出版社さんに感謝申し上げます!さっそく拝読させていただきましたので、ご紹介したいと思います。
一言でいうと、これからリモートワークを本格的に推進したい企業は必読です!
目次
- 第1章 リモートチームという古くて新しい働き方
- 第2章 リモートチームが実践している習慣と環境づくり
- 第3章 リモートチームの成功は企業文化にかかっている
- 第4章 リモートチームで変わるマネジメント
- 第5章 リモートチームで変わるワークスタイル
- 第6章 リモートチームで起きる課題を解決する
- 第7章 リモートチームに至るまでの道のり
第1章 リモートチームという古くて新しい働き方
"リモートワーク"と聞くと働き方改革でも注目されている「新しい働き方じゃないの?」と思いますが、本著が単なる「リモートワーク」ではなく「リモートチーム」として語られている理由が、まさに「古く」というワードに込められています。
本書は個人成果主義やクラウドソーシングとしてのリモートワークを述べたものではなく、古き良き日本の働き方でもある相談や雑談といったコミュニケーションを重視しながら長期的な人間関係を築き、成果をあげるチーム作りをリモート環境でどのように実現していくかについて述べている著であること意識づける章となっています。
第2章 リモートチームが実践している習慣と環境づくり
リモートワークをするうえでは、もはもはや必須といっても過言ではないツールについて述べられています。使い方であったり、マインド的な部分は弊社とかなり近いと思いました。
特に「リモートだからこそ雑談を推奨」「隣同士だろうがコミュニケーションはチャットで行う」「全員がリモートワークをしていること前提にする」といった点は大変共感できる部分でした。
第3章 リモートチームの成功は企業文化にかかっている
リモートのコミュニケーションにおいて、どのように企業文化(カルチャー)を共有していくかが述べられています。チャットでの「雑談」「独り言」から生まれるコミュニーケーションについては同意しかなく、弊社では slack で times-
といった分報チャンネルを使ってるメンバーもいます。
分報チャンネルと言いながら、もはや人が多すぎて雑談チャンネル化してるものも一部あります。
また合宿の開催についても、共感する部分でした。弊社でも年に一度は各部門で合宿を行っています。リモートでのコミュニケーションには慣れてるとはいえ、一度、オンサイトで深く交流をしたことのあるメンバーのほうがリモートのコミュニケーションハードルは低く感じ、コミュニケーションもアクティブになりますので、合宿はチームビルディングとして非常に大切な役割を果たしています。
著者は "合宿ではインターネット禁止で夜通し語り合う" とのことでしたが、弊部では LT 大会で大盛りあがりしています。
第4章 リモートチームで変わるマネジメント
ガチガチに管理するよりも自由な裁量で働いてもらったほうが生産性は高くなる傾向にあります。リモートチームだから生産性が高いのではなく、セルフマネジメントができる人材が集まったチームは生産性が高くなり、結果としてリモートチームでもやっていけるのです。
もう、この一文にすべてが込められてるんじゃないかと思います。弊社も「セルフマネジメント」は強く求められるスキルです。また、このあと採用の話へとつながっていくのですが、やはりそうした人材を判断するには、どこも時間をかけて人単位でじっくりコストを掛けてるんだな、という印象です。
第5章 リモートチームで変わるワークスタイル
リモートワーク環境や、ワーケーション、生活リズムについて述べられた章でした。なかでも「家族への感謝」は忘れてはいけない重要な要素ですね。
リモートワークの場合、仕事中はパソコンに向かっているのですが、それが本当に仕事をしている時間なのか、それとも個人の時間なのか、外から見ただけでは判断がつきません。家族にしてみると、声を掛けていいのかどうかわからないので、そのことが大きなストレスになってしまいます
これは本当に大事なことだと常々感じています。幸いに私は作業スペースがあるのでリビングで仕事をすることはないのですが、それでもリフレッシュのためにリビングでちょっとくつろぐタイミングなどはあります。子どもたちからすると仕事が終わったと勘違いして「遊ぼう!ゲームしよう!」と言いたくなる気持ちはよくわります。
私の場合、仕事が終わったタイミングでリビングに行くときは自宅内の移動ですが意識的に「ただいま!」と言うようにしてます。これで子どもたちにも「仕事が終わったんだ!」とちゃんと伝っているようです。
第6章 リモートチームで起きる課題を解決する
以下のようなリモートワークに関するよくある疑問を打ち返す内容となっています。
- リモートワークは人を孤独にするか?
- 「飲みュニケーション」がなくなっても大丈夫?
- リモートワークでは新しいアイデアは生まれてこない?
- 「サボっていないか」をどうやって監視するのか?
- リモートワークだと働きすぎてしまう?
- 新入社員がいきなりリモートワークできるのか?
- リモートワークが導入できない企業はどうなっていく?
「サボっていないか」をどうやって監視するのか?
サボっていないかどうやって監視するの?は本当によく聞く質問ですね。著者も述べていますが「オフィスに来る」=「仕事する」ではありません。個人的な見解も含めていうと「サボる人はオフィスに来てサボってる」はずです。
「監視しないと気がすまないマネージャ」「監視されないと仕事が出来ないメンバー」ではリモートワークで成果を出すことは難しいと言わざるを得ないですね。
新入社員がいきなりリモートワークできるのか?
出版(2015年)当時は新入社員のリモートワークは実施されていなかったようですが、現在では入社式からリモートで実施されており、新入社員も最初からリモートワークを実践されているそうです。(すごい!)
第7章 リモートチームに至るまでの道のり
現在、急務でリモートワーク環境を整備している企業が多いと思いますが、リモートワークを浸透させ成果があがるまでは一朝一夕ではありません。SonicGarden では、どのようにしてリモートチームに至ったかという軌跡を取り上げた章になっています。
さいごに
著者と同様、弊社もリモートワーク推進のキッカケは「 3・11東日本大震災」だと聞いたことがあります。それ以外の点でも弊社と共通している部分が多数ありました。おそらく現在リモートワークが全社で普及し、うまくまわっている企業は、同じようなタイミングでリモートワーク導入に踏み切り、同じような取り組みを経ているのではないかと思います。
今回、COVID-19の感染拡大という不測の事態に直面し、急務でリモートワークを整備している企業も少なくないかと思いますが、これを機にリモートワークの推進について本腰を入れる企業が増えるだろうと思います。そして、リモートワークをこれから推進する企業の方に是非、本著をまずは読んでいただきたい。
もし、「リモートワークなんて単に VPN やセキュリティまわりを整備して、自宅から仕事ができれば良いんでしょ」なんてことを云ってる担当者がいたら、最低でも三回は読むように勧めて欲しい!そんな一冊した。
あらためて本書の全文公開を決断された SonicGardenさんと、出版元の日本実業出版社さんに感謝申し上げます!
以上!大阪オフィスの丸毛(@marumo1981)でした!